いて座

 いて座は、天の川銀河の中心部( M8 と M6 の中間付近)を擁しているため、最も星が密集しています。
 二十八宿でいう「箕」と「斗」にあたります。

 左側が「箕」、右はさそり座の M7

 

 南斗六星・「斗」、中央 M22、右の明るい星は土星

 

 やや右上 M16、やや右下 M17、その下 M18、さらに下 M24

 

 左 M25、中央 M24(スタークラウド)、右 M23

 

 左下 M22、右下 M8、右上 M23

 

 M8、上は M20 と M21

 

 M22、右端は M28

 

 各星座の α 星といえば、一般的にはその星座を象徴するに足る明るく有名な星である場合がほとんどなのですが、稀に例外があります。その一つがいて座の α Sgr です。
 いて座は一等星こそありませんが、二等星 ヌンキ(σ Sgr)を含む「南斗六星(斗)」と呼ばれる超有名なアステリズムを持っていますし、二十八宿で「箕」と呼ばれる見つけやすいアステリズムも持っています。「箕」の二等星 カウス・アウストラリス(ε Sgr)は視等級 1.8 で、北極星 ポラリスの 1.97 よりも明るく、いて座の最輝星です。にもかかわらず、なぜか α Sgr は南斗六星の下にある別の星座・みなみのかんむり座の左、星座域の境界に近いところにある視等級 3.96 の四等星 ルクバトなのです。不思議すぎて、もっともらしい理由さえ想像できません。この星、いて座の星図から欠落していることも多々あります。

 ちなみに、α 星が存在しない星座もあります。こじし座、じょうぎ座、とも座、ほ座です。
 こじし座は α 符号の振り忘れ、じょうぎ座は星座域の重複を修正したため、とも座、ほ座はかつて存在した巨大な星座「アルゴ船座」を4分割したため、とされています。ただし、らしんばん座には α 星がありますし、りゅうこつ座もカノープスを有するので α 星があります。
 もう一言つけ足すと、じょうぎ座、とも座、ほ座には β 星も存在しません。

Tokiomi