りゅう座

 

 北極星の周囲を 90°以上取り巻いている周極星座です。大きいし有名なのですが、2 等星より明るい星が γ Dra_Eltanin (エルタニン) だけなので、形をたどるのが案外むずかしい星座でもあります。
 1,200 B.C. 頃は 「へび座」 と呼ばれていましたが、古代ギリシャ時代に 「りゅう座」 になりました。当初は、現在のこぐま座 (小北斗七星) は竜の翼でしたが、哲学の祖とされるタレスが活躍した the 6th century B.C. には 「こぐま座」 が分離されていたようです。個人的には、「りゅう座」 とするのならば、翼がある形の方が絵になるしキレいだと思います。

 以前も書きましたが、α Dra_Thuban (トゥバン) はエジプトの大ピラミッド建設当時、北極星でした。りゅう座には 2 等星も 3 等星もあるのに、4 等星の Thuban が α 星とされた理由です。
 β Dra_Rastaban (ラスタバン) は「蛇の頭」という意味のアラビア語に由来します。
 γ Dra_Eltanin は「蛇」という意味のアラビア語由来です。現在は 154 光年ほど彼方にありますが、150 万年後には太陽系に 28 光年の距離まで接近し、α CMa_Sirius (シリウス) よりも明るく輝くと考えられています。
 δ 星と ζ 星の間には 「キャッツアイ星雲」 と呼ばれる惑星状星雲 NGC 6543 があるのですが、私が所持している機材では撮れませんでした。

 図の上部中央の輝星は、右から γ Cep_Errai (ケフェウス座 γ・エライ)、β Cep_Alfirk ( β・アルフィルク)、α Cep_Alderamin ( α・アルデラミン) です。
 左上の 1 等星は α Cyg_Deneb (はくちょう座 α・デネブ)、その真下の青白い輝星は δ Cyg_Fawaris ( δ・ファワリス、三重星のA星)、左の 1 等星は α Lyr_Vega (こと座 α・ベガ)、です。
 上記の 6 星は、将来この順番で北極星になります。

 図の右下の輝星は、北斗七星の先端 α UMa_Dubhe (おおぐま座 α・ドゥーベ) です。

 

Tokiomi