秋の一つ星

 

 みなみのうお座 α・フォーマルハウトです。
 B.C. 2500 頃には、古代ペルシャにおいて 「四つのロイヤル・スター (王家の星) 」 の一つ、「南の王」 とされていました。
 緯度が高いヨーロッパでは南の地平線ギリギリで輝くので、日本人にとってのカノープスのように、南へのあこがれを誘う星となっています。

 秋の夜長、日暮れから夜半まで、南に輝く1等星が他に見られないことから「秋の一つ星」 「南天の一つ星」と表現されることもあります。
 「夏の大三角」 の一角を成すはくちょう座 α・デネブが視等級 1.25 なので、視等級 1.16 のフォーマルハウトはデネブよりも明るいのですが、南中しても 30° まで上がらず、周囲に比較できるほど明るい星もないことから、印象は総じて地味です。
 長野市周辺から容易に見ることができる1等星で、高度が 30° まで上がらないのはさそり座 α・アンタレスとこのフォーマルハウトだけです。標高が高い場所ならば、上記のりゅうこつ座 α・カノープスも観測できるかもしれませんが、残念ながら私は見たことがありません。

 

 

 みなみのうお座・全景 中央付近から下

 

Tokiomi