ツマグロヒョウモン

 

 タテハチョウ科ドクチョウ亜科ヒョウモンチョウ族に分類される蝶で、オスはヒョウモンチョウ類に典型的なヒョウ柄ですが、メスは前翅先端部が黒く、斜めの白帯を持っています。「ツマ」とは「褄」で、和服で用いる場合と同様に「端」とか「へり」の意味です。
 メスの外見がヒメアカタテハと非常に似ているので、前翅にもハッキリとしたヒョウ柄があることを確認する必要があります。オスのツマグロヒョウモンがメスと間違えてヒメアカタテハを追いかけまわしているのをしばしば目にするので人間が間違えても当然かもしれませんが、「ツマグロヒョウモンのメス」としてヒメアカタテハの写真を載せているウェブサイトを見かけることがよくあります。アゲハチョウほどではありませんが、ツマグロヒョウモンは大きめの蝶なので、オスと比較して明らかに小さい場合、そのほとんどがヒメアカタテハです。
 スミレ類を食草としているので、パンジーやビオラも食べます。

 1980 年代までは近畿地方以西でしか見られなかったのですが、徐々に生息域が北上し、現在では関東北部でも普通種になりつつあるようです。長野県では 2007 年に伊那の萱野高原で確認されていますし、2015 年には長野県北部でも生息が確認されています。私が三才地区で見たのは今年が初めてなのですが、農道や浅川堤防を散策すると頻繁に目に入るので、数年前から定着していたのかもしれません。

 

 ツマグロヒョウモン (オス)

 

 ツマグロヒョウモン (メス)

 

 ヒメアカタテハ

Tokiomi