ジャコウアゲハ

 

 駒沢川の堤防でジャコウアゲハを見つけました。
 「外見どおりの人」というのは良いにせよ悪いにせよ実際はほとんど存在しないものですが、この蝶は毒々しい外見のとおり、素直に(?)体内に毒を蓄積しています。
 隠された毒は非常に危険ですが、わかっている毒は使い方次第で薬にもなるように、クロアゲハ、オナガアゲハ、アゲハモドキなどは、この蝶を擬態することで天敵から身を守っていると考えられています。
 「南方系の蝶であるジャコウアゲハ類が生息しない北海道や東北地方でもアゲハモドキなどが生息していることから、この擬態については疑問とする考えもある」というような説をわざわざ書き加えている記事があちらこちらに散在していますが、擬態というものの本質がわかっていないようですね。擬態とは、クロアゲハなどがジャコウアゲハの生態を見て、主体的に「真似をする」というようなものではありません。ジャコウアゲハの毒を体験してしまった「天敵」たちが、似た蝶や蛾を捕食しなくなることにより、結果として、ジャコウアゲハに似た外見を持っていたものの生存率が格段に上がることにより成立します。つまり、ジャコウアゲハが生息していない地方でも、その毒を体験した生物が生息しているならば擬態が成立する可能性は非常に高いのです。上記引用のような追記は間違いですし、不要です。

 別名、ヤマジョロウ。

 

Tokiomi