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北斗七星があまりにも有名なので「おおぐま座=北斗七星」と覚えてしまっている方がとても多いのですが、北斗七星は「大熊の腰から尾」でしかありません。
おおぐま座は、数少ない「それっぽい形をたどれる星座」なので、星座域の広さを確認してみるだけでもちょっとした驚きを感じるかと思います。
おおぐま座運動星団
北斗七星の柄の先端と枡形の先端の星を除いた5つの星が「おおぐま座運動星団の顔」です。この星団は太陽に最も近い散開星団であるため範囲が広く、北極星に隣接するケフェウス座から沖縄よりも南でないと見ることができない「みなみのさんかく座」にまで、候補を含めると約 200 の星が散らばっています。主な星までの距離は約 80 光年です。
α CrB_Alphecca(かんむり座 α)、β Aur_Menkalinan(ぎょしゃ座 β)、δ Aqr_Skat(みずがめ座 δ)といった星もこの星団のメンバーであることが確実視されています。(以下3枚で黄色表示した星)
シリウスや太陽もこの星団に属していると考えられていたこともありますが、現在の見解によると、シリウスはメンバーと考えるには若すぎるし、逆に太陽は10倍も年上だという理由で両者ともにリストから外されています。いて座方向に向かって固有運動をしているこの星団の近くに偶然いあわせただけのようです。
ちなみに、太陽に二番目に近い散開星団はおうし座の Mel.25_ヒアデス散開星団で約 150 光年、三番目に近いのは Mel.111_かみのけ座運動星団で約 260 光年です。
Mel. 25_Hyades star cluster
Mel. 111_Coma star cluster
Tokiomi