タシギ

 

 冬期、水田などで見かける「冬鳥」です。水を落とした三才池で見かけることもあります。保護色が効果的なので、意図して見つけ出すのはかなり難しいです。
 長い、というか「長すぎだろうが!」と思わずツッコミを入れたくなるような嘴で地中の小動物を食べます。主に夜間に餌を採りますが、安全な場所では昼間でも行動します。

 「三夕の歌」の一首、西行の「心なき 身にもあはれは 知られけり 鴫立つ沢の 秋の夕暮れ」で詠まれている「鴫(しぎ)」はタシギだとされています。突然、足もと近くの水辺から飛び立ったタシギが去った後、いっそう深くなった静寂が身にしみるようです。
 この「秋」は「心なき身」を受けています。さりげなく『新古今』の技巧の凄みを見せつけてくる一首なので、思いきり深読みしてください。

 

Tokiomi